こちらはシリンダースタイルのラウンドケースに14Kの金無垢素材が採用された贅沢な一本。シリンダーケース特有の薄いベゼルと直線的なラグは、深みのあるブラックミラーダイヤルとも相俟って、控えめで気品を感じさせる雰囲気。年月を経た文字盤は、夜空の星屑を借景したような独特のエイジングを見せています。ケースは多少の使用感、経年感が見られるものの、比較的良いコンディションをキープしています。 文字盤上に配されるインデックス、針はともにゴールドで、ミラーフィニッシュに浮かび上がるように映えます。クラシカルなスモールセコンドのレイルウェイ・インデックス、さらに1940年代にのみ一部見られたユニークなフォントのアラビア数字インデックスの、味わいあるデザインが格別です。 搭載するCAL.520はエテルナが初めて紳士用腕時計のために開発したムーブメントで、1940年代の英国陸軍の腕時計にも採用された名機。細かく分割されたブリッジや随所に配されるスリットにより、メンテナンス性の高い構造となっています。各部の受け石に配されるゴールドシャトン、さらに駆動の激しいガンギ車の受けに補強パーツが追加された質実剛健な仕様が特徴的。 エテルナは知る人ぞ知るスイスの名門時計メーカー。1856年にスイス・グレンヒェンでジョゼフ・ジラールとウルス・シルトによって設立されたエボーシュ専業メーカーを母体とし、自社製造ムーブメントの使用に徹底的にこだわった生粋のマニュファクチュールとしても知られています。