1960年代半ばにハミルトンが英国軍に納入したミリタリーウォッチ。こちらはG.S.(General Service)のマークが記載されていることから、政府職員など非戦闘員向けに配備されたモデルになります。 英国軍のミリタリーウォッチのデザイン性やコンセプトは、IWCが開発した名機マークIVをデザインの源流に持ち、ジャガー・ルクルトやロンジンといったビッグメゾンが名を連ねています。文字盤に部分的な褪色が見られますが、ブラックダイヤルにレイルウェイインデックスや視認性の高いアラビア全数字、そして随所に配される夜光インデックスなど、「用の美」を感じさせる普遍的で武骨な雰囲気が魅力。力強いフレアシルエットの時分針もユニークです。 大振りで厚みを持ったステンレススチールのソリッドケースは存在感に溢れた質実剛健な風合い。スクリューバック式の裏蓋によって防水性が確保されているほか、軟鉄のインナーキャップを備えることで防塵性、耐磁性の向上が図られたプラクティカルな仕様となっており、裏蓋の”TROPICALIZED”は熱帯の高温多湿な使用環境にも耐えうるトロピカライズドスペックを意味しています。ラグは固定式のミリタリースタイルですが、 ジェームズ・ボンド・スタイルのNATOベルトを装着してドレッシーに。 ムーブメントはスイス製のCAL.S75S。ETAのCAL.2391をベースに、リューズを一段引くことで秒針を停止させることができるハック(セコンドセッティング)機能が追加されているほか、花型の耐震装置「キフショック」を装備したミリタリーモデル。