代々英国王室の王冠の製作を行ってきた「クラウンジュエラー」として名高い英国の宝飾品店〈ガラード〉。国内外の様々な時計メーカーに製造を依頼していたことでも知られており、こちらはロシア・サンクトペテルブルク生まれの高級宝飾時計メーカー〈ポール・ビューレ〉が手掛けたダブルネームモデル。 1815年という歴史的にも古い創業年を持つポール・ビューレは、ロシア宮廷御用達の時計メーカーという地位にありましたが、第一次大戦後にロシア市場を失ったためスイスのル=ロックルに拠点を移し、その後は自社の時計製造に舵を切ったユニークな経歴を持つメーカーです。 翻ってこの個体は、ワイドなステップドベゼルを持つステンレススチールケースが存在感を放つ、ガラードの腕時計の中でも珍しいモデル。金属の塊をくり抜くことで得られる力強い造形に加え、長い年月を経て一様に美しく日焼けした狐色の文字盤。味わい深いディテールが凝縮された、唯一無二の一品に仕上がっています。 スクリューバックケースによる堅牢なケースは、内部にインナーキャップを装備する防塵・耐磁仕様。夜光塗料を伴うアラビア全数字やペンシルハンドは、ミリタリーウォッチを彷彿とさせるクラシカルなデザイン。 裏ぶたに刻印された〈インペリアル・ケミカル・インダストリーズ〉社は、1940年代以来長きに渡り、スミスをはじめとした英国の腕時計を記念品として永年勤続社員に贈っていた英国企業としても有名です。
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