ハミルトン、ウォルサムといったアメリカンウォッチの中でも、特に1920年代に米国内で支配的な地位を享受したのが、〈エルジン〉。1910年にいち早く腕時計を発表し、ミリタリーウォッチにおけるシェアも他より抜きんでていました。 その中でも特に数多くのバリエーションを誇るのが、当時米国において花開いた「アメリカン・デコ」の影響を強く受ける、角形時計の数々。こちらは特にユニークで、どちらかというとヨーロッパにおける腕時計で人気のあったセクターダイヤルが特徴の一本。 アラビア数字と交互に配されるバーインデックスが、切り分けるようなセクター状を伴うこのスタイルは、特にこの時期にしか見られない特殊なデザインです。時分針もバーインデックスに合わせて細身のバーハンドを採用。カラーリングもシルバーで、針とインデックスの一体感を演出している点も見事です。 長い年月を経て味わいを増した文字盤も、この腕時計の魅力。1940年代頃の腕時計に散見される、カッパーダイヤルと呼ばれる赤銅色のカラーダイヤルの渋い雰囲気を一層深め、シルバーのインデックスと針が爽やかに映える意図も透けて見えます。 そして文字盤に負けずユニークな形状を持つのがこちらのケース。優雅なドレープを描くスクエアケース、パイプ状のラグデザインといった華麗なスタイルに加え、ピンクゴールドフィルドを採用することによりカッパーダイヤルとの相性も抜群。付属するジュビリータイプのブレスレットも同様にピンクゴールドフィルド、貴重な販売当時のオリジナル品で、2段階調節が可能です。
» 特定商取引法に基づく表記 (返品など)