スミスが手掛けた〈J.W.ベンソン〉の腕時計。J.W.ベンソン自体は元々懐中時計を製造していた時計メーカーでしたが、戦後開始した腕時計の製造は、スイスを中心とする時計メーカーに製作を依頼していました。中でもスミスが別注製作したモデルはデザイン・クオリティともに極めて高いことで知られています。 1940年代末に始まるスミス製のJ.W.ベンソンは、その多くが伝統的にローマ数字をアワーマーカーに採用しています。こちらはその中でもインデックス部分を立体的に仕上げた高級感溢れる文字盤デザインが魅力。 特にこちらは、1950年代までしか作られていなかった直線的で角のあるストレートラグを持つ個体。アップライトスタイルのローマンインデックスの個体は1950年代末から製造が開始されており、それ以降はスタンダードなホーンラグのみとなるため、この両方のスタイルを共有する個体は実質2年程度しか製造されていない極めて稀少な存在となります。 スミス製のベンソンの腕時計には、通常の15石ではなく16石の受け石を装備したハイエンドなムーブメントが搭載されます。スミスの代名詞とも言える英国製ムーブメントCAL.1215は15石がベースですが、こちらは美しい琉金仕上げや独特のブリッジデザインはそのままに、二番車に大きな受け石を追加。耐震装置付きという点も魅力的。 着用するレザーベルトは、ホーウィン社のクロムエクセルを使用。独特の質感と味わい深いマットブラックが、ドレッシーなスミスを一層引き立てます。
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