1930年代に製造された〈ブリティックス〉のクロノグラフ。38mmの巨大なシルバーボディに、黄土色の文字盤。独特のフォント遣いのアラビア数字とスネイルタキメーター。横溢する数字とインデックス、連続する円周。それらはすべて線が細く、それでいて力強さを感じます。 ケースはその中でも特筆すべき点で、銀無垢が用いられています。金無垢はしばしば見られますが、クロノグラフで銀無垢ケースを採用するモデルは皆無に近く、幻と言って良い存在。高級素材を用いながらも、そのボディは肉厚で、裏蓋を見ても独特のフォルムを持つオリジナリティの高いデザインというのも魅力的です。プッシャーも含め、当然フルオリジナル。 文字盤にはテレメーター部分の表面をさりげなく他と異なる仕上げが施しており、光の差し込み加減でツートーンに見せる文字盤装飾が見られます。凝縮感を感じさせる美しいデザイン性ですが、様々な計器が単一の文字盤に同居するクロノグラフの視認性を高める用途も。それ以外にも随所に文字色を変えたりといったディテールを見るにつけ、実用と美意識が融合する「用の美」が凝縮された一本といえます。 ムーブメントはクロノグラフムーブメント製造の名門〈ヴィーナス〉社のCAL.175を搭載。ブライトリングの人気モデル「クロノマット」のムーブメントとして知られる高級機です。バルジュー72に比肩する古典的なコラムホイール式の傑作機のひとつ。耐震装置「ショックレジスト」を装備しているのも嬉しい点。 装着したベルトは〈カシス〉のリアル・アリゲイター。質実剛健な銀無垢にマッチするマットブラックのワニ革が印象的です。
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