ドイツの時計メーカー〈ハンハルト〉が手掛けた1930年代の腕時計。第二次世界大戦中ドイツ軍に供給されたクロノグラフで有名な同社ですが、こちらはそのイメージとは180度異なるドレッシーでクラシカルなブレスレットウォッチ。

メタルブレスレットとレザーベルトが組み合わさった非常にユニークなブレスレットを持った一本。advintageではあまり取り扱わない女性向けですが、男性でもバングルと組み合わせてコーディネートできるので、ユニセックスなアクセサリーとして着用できる面白さがあります。

本体はレクタングルシェイプにステップデザインやカッティングを施した直線的な力強いケースデザイン。サイズはメンズでも標準的です。メタルブレスが連結されたラグ部分は表部分にカッパーカラーのメッキコーティングが配されており、さらにブレスレットのリンク部分も同様の配色が見られます。

そのカッパーカラーはメタルブレスだけでなく文字盤の外周部分にも及び、一体感を形成。一見アヴァンギャルドながら、極めてクラシックで落ち着いた印象を与える優れたバランス感覚は秀逸の一言です。ユニークな配色だけでなく、アラビア数字に加え冷雨ウェイインデックスと幾何学な線の配置が組み合わさったセクターダイヤルは、1930年代を中心にパテック・フィリップやIWCをはじめとするビッグメゾンが用いた人気の高いデザイン。

レクタングルケースと同じ角形ムーブメントを搭載している点も高級モデルであることの証左。角形ムーブメントは丸形に比べ輪列配置が難しく、またほとんど角形ケースにしか搭載できないため製造数が圧倒的に少ない機種でもあります。こちらは創業者アドルフ・ハンハルトのイニシャル"AH"刻まれた自社ムーブメント。