〈スミス〉が手掛けた傑作モデル「デラックス」。中でもこちらは9Kの金無垢ケースを纏った、ドレスウォッチの永久定番とも言えるモデル。しかも当時の純正ボックスが付属する貴重なセット。使用感も少なく、ケースや文字盤のコンディションも極めて良好な個体です。 文字盤上に配された”SMITHS”のブランド名と誇らしげな王冠マーク、そして”DE LUXE”のモデル名。「デラックス」シリーズがおそらくスミスの腕時計の中で最も高い人気を誇るのは、そのデザインの豊富さもさることながら、信頼を寄せられる高い機能性にあるとも言われます。そしてその機能性を支えたのは英国製の自社ムーブメントでありました。 様々な文字盤デザインが存在するスミスの「デラックス」ですが、こちらは立体的な格子柄が文字盤に配された、高級感際立つデザインが魅力的。デラックスシリーズの中でも特にスペシャリティの高い文字盤スタイルで、ゴールドで配されるアラビア数字インデックス、時分針およびスモールセコンドは、金無垢のケースとの統一感による上品な佇まいが特徴。この格子柄モデルはその大半が1960年代に作られていますが、その中でもこちらの個体は1954年に製造された貴重な初期の一本。 他のデラックスに比べ、ケースがやや大振りなのもこのモデルの特徴。優雅にして力強いラグデザインも魅力的です。こちらの金無垢ケースを手掛けたのは、デニソン社と並んでスミスが数多く採用していた〈BWC(British Watch Case Ltd.)〉で、”LONDON MADE”の刻印がトレードマーク。 ムーブメントは伝統の”1215(トゥエルブフィフティーン)”を継承する自社ムーブを搭載。優美な流線形のレイアウトや独特の粒金仕上げが美しいムーブメントですが、厚みがあり頑丈なパーツで構成される質実剛健な作り。