1939年という激動の時代に生まれたこちらの腕時計。互いに姉妹会社であったシーマとタヴァンヌがブランドロゴとして併記された、非常に珍しい一本。 英国製の9金無垢のシリンダーケースに漆黒の文字盤、下地出しで仕上げられたゴールドに輝くインデックス。アラビア数字はやや小ぶりで控えめ。いずれも英国市場向けに企画された腕時計の特徴を有しつつも、ギルドフィニッシュの黒文字盤とゴールドケースの組み合わせが醸し出すミステリアスな魅力に包まれたデザイン秀逸な個体です。 円筒をスライスしたような繊細さと力強さが同居するシリンダースケースは、1930年代としてはやや大きめの31mmという絶妙なサイズ。しかもベゼルがやや厚く、フラットベゼルのシルエットをとっているため、肉厚で力強い印象も。それでいて微妙に小ぶりなアラビア数字がセットされているのが面白い表情を生んでいます。ちなみにテレビ塔のような形をしたユニークな時分針はシーマがオリジナルで用いていた独自のデザインで、この腕時計のチャームポイントとして一役買っています。ギルトダイヤルは経年による体色が見られ、ややマットな表情。 ムーブメントはミリタリーウォッチにも採用されていたことで知られるCAL.032。質実剛健で合理的な美しいレイアウトが特徴的で、パーツひとつひとつ抜かりなく磨かれた、まさに質実剛健を体現する仕上がりです。 着用するベルトは、当店オリジナルの〈アノニム〉。手揉み加工を施したイタリアンシュリンクレザーを素材に使用しています。オイルをたっぷりと含んでいるためしなやかでしっとりとした質感があり、使い込むうちに味わいのある風合いとなります。 » ”anonym” OPEN-END LEATHER BELT (ITALIAN SHRINK / GRAY)