1851年にスイスのル・ロックルで創業、現在もその歴史を続けている隠れた名門〈フィリップ・デュボワ & フィス〉。その貴重なヴィンテージウォッチがこちらです。

1940年代に製造された個体で、総ステンレススチールケースはプッシュアウト式。風防との間にゴムパッキンを噛ませることで防水効果を得るという機密性の高い構造を採用し、やや小ぶりながらシリンダースタイルの肉厚なフォルムが存在感を発揮しています。

上品で美しいグレーダイヤルには、翻って大振りなアラビア全数字のルミナスインデックスとペンシルハンドをセット。レイルウェイ・ミニッツトラックと相まって、ミリタリー色の強い仕上がりです。実はさりげなくレイルウェイ部分にブラックを配したツートーンダイヤルで、視認性と共に重厚感や凝縮感を感じさせる秀逸なデザイン。

搭載するムーブメントはフォンテンメロン社のCAL.30。耐震装置インカブロックを装備するほか、ブリッジのストライプフィニッシュや面取りの美しさが光る名門ならではの一機。

着用するベルトは、当店オリジナルの〈アノニム〉。手揉み加工を施したイタリアンシュリンクレザーを素材に使用しています。オイルをたっぷりと含んでいるためしなやかでしっとりとした質感があり、使い込むうちに味わいのある風合いとなります。