〈エテルナ〉が1938年に完成させた同社初の自動巻きムーブメント、CAL.835H搭載のオートマティックモデル。ローターが半回転運動をしながら半回転運動をするバンパー式という旧型の機構で、ハンマー・オートマティックとも呼ばれます。 ムーブメントが二階建て構造となっているため、手巻きモデルと比べ裏蓋が膨らみ、ケース全体の厚みが増すことで存在感のあるシルエットとなっている点も見逃せません。またこちらは裏蓋に3本のオープナーノッチを備えた、俗に言う「トレ・タケ」のスタイルを採用している点もかなり珍しいモデル。 外装はエテルナの質実剛健な時計作りを象徴する洗練されたステンレススチールのラウンドケース、アラビア全数字インデックスとペンシルハンドというクラシックな文字盤という極めてシンプルなデザイン性に落ち着いた腕時計。しかし、半世紀を越える時の流れがこの腕時計を一層魅力的に、そして唯一無二の存在に変貌させているのが、斑目柄に色付いた文字盤。 これだけ古い腕時計になると、過ごしてきた環境によっては文字盤が日焼けしてしまうことは避けられません。もちろん日焼けを免れたきれいな状態であることに越したことはないのですが、ここまで芸術的に褪色した文字盤というのも珍しく、特に欧米では「トロピカルダイヤル」と呼ばれ人気を博しています。 33mm超のケースサイズもエテルナの自動巻きモデルでは珍しく、サイズが大振りとなった分、さりげなくミニッツレールの内側にシルバーで配された円周状のハイライトによって文字盤の凝縮感を確保している点も見逃せません。 それでいて針やアラビア数字に盛られている夜光、インデックス等はきれいに残っており、ケースもノンポリッシュでエッジがしっかりと切り立ったグッドコンディション。綱渡りのような条件を切り抜けたこのエテルナには、ヴィンテージのダメージジーンズのような風格と唯一性が生まれています。 採用したベルトは"anonym"の〈プエブロ〉。1000年以上も昔からイタリアに伝わる伝統のバケッタ製法をによるベジタブルタンドレザーで、革肌のワイルドな質感が特徴です。エイジングの美しさも定評があり、長く着用することでザラザラした表面は艶を帯び、色は濡れたような深い飴色に変化していきます。 » "anonym" LEATHER BELT (PUEBLO / BROWN)
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