代々英国王室の王冠の製作を行ってきた「クラウンジュエラー」として知られる英国の宝飾品店〈ガラード〉。ガラードは主にスイスの時計メーカーに自社ブランドの時計を別注していますが、〈スミス〉が手掛けた英国製ガラードは特に格別のコストが投入されたハイエンドモデルとして知られています。こちらは自動車メーカー〈フォード〉社の英国法人が社員に贈ったもので、同社のロゴが表に刻印された純正ボックスとともに取説やタグ、さらには当時書かれた思われるケース内部の番号等のメモが付属する貴重なセット。レザーベルトも当時のものです。 デザインのベースはスミスが1950年代から用いてきた、偶数飛びアラビア数字と楔形インデックスにツートーンダイヤルという伝統のスタイルを踏襲しつつ、こちらはルミナス塗料のドットインデックスと時分針を装備したアクティブ仕様という極めて希少な個体。 ケースを手掛けるのは、英国が誇る高品質ケースメーカー〈デニソン〉社。中でもこちらは「アクアタイト」と呼ばれるねじ込み式のスクリューバックケースはデニソンケースの中でも特に評価が高く、その重厚感とともにずっしりと確かな重量感がなんとも言えない魅力を放ちます。しかもこのケースは全て9金無垢からなり、滅多に市場で姿を見せないレアモデルです。 搭載するムーブメントもガラードにのみ特別に提供されたスペシャルモデルが採用されています。ベースはスミス伝統のトゥエルブフィフティーン(CAL.1215)ながら、こちらは二番車とガンギ車の受け石にそれぞれ受け石を追加し、18石に増石されたハイエンドな仕様。その全てに英国のクラフツマンシップが宿る、英国製腕時計の最高峰です。