現在も英国で高い人気を誇る高級宝飾品店〈アスプレイ〉。ジュエリーや貴金属、腕時計やレザーハンドバッグといったハイセンスなラグジュアリーアイテムの英国王室御用達で知られる同ブランドが、1956年に英国唯一の国産腕時計メーカー〈スミス〉に製造を依頼した別注アイテムがこちら。 12時のみアラビア数字を残し、その他はキューブ形やクサビ形といった抽象的なインデックスを採用した文字盤。さらにその表面の内と外とに、「ギョーシェ」と呼ばれる異なるパターンの刻印文様を持っているのが最大の特徴です。ここまで繊細なギョーシェ彫りは1950年代の腕時計にはあまり見られず、現代に至っては極めて高級な雲上ブランドのお家芸。20世紀初頭の古典的な文字盤装飾をミッドセンチュリーに持ち込んだ、スミスならではの個性あふれる逸品。同時にピンク色に経年変化したレアな表情によってアートピースのような唯一無二の作品に仕上がっています。 やや大振りで存在感のあるケースは、英国の金製品独特の9カラットの金無垢。ツイストラグがエレガントなを印象を放ちながらも、スクリューバック仕様となった堅牢設計とボリューム感のあるシルエットも見事な仕上がりです。ケースを手掛けたのは、英国のケースメーカーでおなじみの〈デニソン〉社で、「アクアタイト(AQUATITE)」の刻印が見られます。 ケースを手掛けるのは、英国が誇る高品質ケースメーカー〈デニソン〉社。中でもこちらは「アクアタイト」と呼ばれるねじ込み式のスクリューバックケースはデニソンケースの中でも特に評価が高く、その重厚感とともにずっしりと確かな重量感がなんとも言えない魅力を放ちます。しかもこのケースは全て9金無垢からなり、しかもツイストラグという固有のデザインを持った極めてレアなモデル。 ムーブメントはCAL.1215のセンターセコンドモデル、"27.CS.”を搭載。キャリバーナンバーは「27cm、センターセコンド(Center Second)」を意味しています。1215同様、優美な流線形のレイアウトや独特の粒金仕上げが美しいムーブメントですが、厚みがあり頑丈なパーツで構成される質実剛健な作りも見逃せません。