〈スミス〉が手掛けた傑作モデル「デラックス」。中でもこちらは9Kの金無垢ケースを纏った、ドレスウォッチの永久定番とも言えるモデル。しかも当時の純正ボックスと保証書が付属する貴重なセットで、かつスミスオリジナルのピッグスキンベルトが装着されたまま。使用感も少なく、ケースや文字盤のコンディションも極めて良好な個体です。 文字盤上に配された”SMITHS”のブランド名と誇らしげな王冠マーク、そして”DE LUXE”のモデル名。「デラックス」シリーズがおそらくスミスの腕時計の中で最も高い人気を誇るのは、そのデザインの豊富さもさることながら、信頼を寄せられる高い機能性にあるとも言われます。そしてその機能性を支えたのは英国製の自社ムーブメントでありました。 こちらはスミスのデラックス・シリーズでは少数派となるセンターセコンドモデルにしてブラックダイヤルというレアモデル。バーインデックスとドットインデックスを組み合わせたユニークな文字盤デザインは、スミスの名機「デラックス」で初期から採用されてきたドレッシーなパターンです。センターセコンド仕様で、秒針の先端にレッドアローが備えられたスミスのアイコニックなディテールも魅力的。 9金無垢のラウンドケースは、旧BWC(British Watchcase Co.)をスミスが買収して設立した”SMITHS CLOCKS & WATCHES"(SCW)製、つまりスミス自社製となります。やや大振りなのもこのモデルの特徴で、優雅にして力強いラグデザインも魅力的です。 ムーブメントはCAL.1215のセンターセコンドモデル、"27.CS.”を搭載。キャリバーナンバーは「27cm、センターセコンド(Center Second)」を意味しています。1215同様、優美な流線形のレイアウトや独特の粒金仕上げが美しいムーブメントですが、厚みがあり頑丈なパーツで構成される質実剛健な作りも見逃せません。 着用するベルトは、当店オリジナルの〈アノニム〉。英国の伝統的な製法で作られる堅牢なブライドルレザーを素材に使用し、ブラックのボディにブラックステッチを採用したオールブラック仕様です。表面に白く浮き出ているのは「ブルーム」と呼ばれるロウの成分で、使用するうちに徐々にブルームが取れ、美しい光沢が生まれます。