やや小ぶりながらスクリューバック式オールSS製の堅牢なケースに身を包んだタフな腕時計。〈ニーサス〉が1930年代に手掛けた、腕時計におけるアール・デコのアイコンとして名高い見事なセクターダイヤルが美しい一本。 独特の幾何学的な線の配置で彩られた文字盤は、秒、分、時間の複数のスケールを同時に、かつ正確に視認するための工夫の結果生まれた扇形のスケールを採用。ミニッツトラックが二層構造のラインとバーインデックスによって融合し、その間に偶数飛びアラビア数字を配置しています。しかもアワーマーカー部分とそれ以外とがブラック×グレーのブルズアイスタイルのシックなツートーンダイヤルと言う点も秀逸。煌々と輝くゴールドの文字や線は、手の込んだ下地出しの技法により、視認性とともにゴージャスな美しさを兼ね備えたクラフツマンシップの結晶。、クラシカルなロザンジュ針と相まって普遍的なアール・デコの美意識を体現しているかのようです。 搭載するムーブメントは、エボーシュメーカーの〈プゾー〉社製のCAL.170をチューニングした手巻きモデル。懐中時計を思わせる三つ指のブリッジがクラシカルな美しさを持ち、かつ面取りやストライプフィニッシュが施された手の込んだ仕上げが印象的です。 またこちらのケースは裏蓋に3本のオープナーインセットを持つことから「トレタケ」と呼ばれるモデルで、ロンジンなどをはじめとする多くの名門ブランドに採用された1930年代の高品質ケースとして知られています。独特の硬質感を持つSSの風合いがたまりません。 装着しているベルトは製造当時のオリジナルと思われます。ブラックとグレーのバイカラーのレザーを用いた大変珍しい二重構造で縫製されており、この腕時計の文字盤のカラーリングに合わせたデザインとなっています。
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