スイスの知る人ぞ知るウォッチブランド〈プロント〉が手掛けたこちらの腕時計。文字盤のエイジングが、まるで光を受けて輝く月のような、あるいは蒔絵のような繊細な輝きに似た極めて珍しい歩みを見せる一本。 文字盤は1940年代頃に流行したブルズアイと呼ばれるツートーンスタイルで、グレーのアワーマーカーエリアの配色に対して24時間インデックスが内側にブラックで配されるという、ありそうでなかなか無い文字盤デザインが採用されています。本来はグレーで合った部分がアラビア数字のラジウム塗料の影響で生成りのような味わい深い色味に変化。さらに夜光アラビア数字の色彩や、オフホワイトの針ともマッチしています。またそれでいて、ブラック部分は非常に綺麗な状態を保っているという偶然が折り重なって生まれた絶妙な色遣い。まさに絶景が生み出された稀有な個体。 スクリューバック式のSS製ケースに搭載するムーブメントは、〈A・シルト〉社のCAL.1171がベースとなる17石のバンパー式オートマティックムーブメント。バンパー式は全回転ローター以前のクラシックな自動巻き機構として知られ、ローターが前後に反発して回転効率を上げるためのスプリングが備えられているのが特徴です。