ヴィンテージウォッチ市場で特に高い人気を誇る〈モバード〉。そのモバードの三針の名機といえば、まず挙がるのがこの「アクヴァティック」と呼ばれるモデル。 「スカラベ」とも称されるこの独創的なラグデザインを持つラウンドケースは、パテック・フィリップをはじめとする名門が愛した防水ケースメーカー〈フランソワ・ボーゲル〉製。コンディションも良く、ラグまわりのカッティングエッジなシルエットの美しい陰影は見事の一言。デザインコンシャスでありながら、その堅牢性と実用性はモバードならではと言えます。 文字盤デザインは外周から円周が折り重なる、アール・デコの影響を色濃く受ける重厚な表情。アラビア数字とペンシルハンドに夜光塗料が施されるほか、ツートーンダイヤルやレイルウェイ・インデックスといった意匠はミリタリーウォッチを彷彿とさせるルックス。 搭載するムーブメントは、モバードの腕時計用ムーブメントの中でも最も古い部類に入る、CAL.75を搭載。すべての受け石にゴールドシャトンを装備するハイエンドな仕様。独特の流麗なブリッジデザインや丁寧な面取りなど、質実剛健な機械としてモバードを象徴する一機です。 着用するベルトは〈アノニム(anonym)〉のブリティッシュグリーン。英国で1860年創業という長い歴史を持つタンナー〈J.ベイカー〉社のブライドルレザーを使用しています。同社のブライドルレザーはオークバーグの皮から抽出するタンニンエキスを用い、1枚の皮に1年半という非常に長い時間をかけるという、2000年前と変わらない製法にこだわるユニークな存在で、重厚かつしなやか、それでいてモチモチとした質感が病みつきになります。