1940年代のスミスの腕時計が入荷しています。 スミスは高品質な機械式時計はもとより、自動車などの計器類の製造を行なっていたイギリスの名門メーカーで、1851年にサミュエル・スミス がロンドンで創業した宝飾・時計販売店S・スミス&サンがその始まり。戦後自社開発した独自の英国製ムーブメントは、1953年のエドモンド・ヒラリー卿のエベレスト世界初登頂で使用されたことを契機に、世界的に高い信頼を獲得しました。 こちらはそのスミスの腕時計の中でもかなり古いモデル。いわゆるクッションタイプのケースは、英国デニソン社によるホールマーク入りのスターリングシルバー。デニソン・ケースといえば、オメガやロレックスも採用していた高品質ケースの代名詞で、アメリカンウォッチの雄ウォルサムの創業者の一人、アーロン・ラフキン・デニソン(A.L.D)がロンドンに渡り創業したケースメーカーです。 ケース背面には"Imperial Chemical Industries Ltd"の刻印があり、勤続25年の社員に贈られたプレゼンテーション・ウォッチとしてしばしば見られるモデル。 ラグは固定式のため、オープンエンドのベルトを使用しています。 スミスに特徴的な視認性の高いアラビア全数字やブルースチールの時分針など、アンティークの魅力的なディテールが凝縮されています。全体的にも無駄の無いデザインで、クッションケースも日本人の腕に良くフィットします。 搭載されるスミスの代名詞とも言えるキャリバー"1215"は、シルバープレートにストライプフィニッシュが施された大変美しい仕上がり。1950年以降全て粒金仕上げとなる以前、1947年から1950年のわずかな期間に生産された、貴重なムーブメントでもあります。