こちらは1950年代のランデロン48を搭載したクロノグラフです。 ランデロン社は当時比較的安価な価格帯のクロノグラフ・ムーブメントを中心に製造していたエボーシュメーカーで、生産性に優れたカム式クロノグラフでは絶大なシェアを誇っていました。 比較的安価とはいえ、ハンドメイドを主とした当時の生産体制を考えると、現在から見れば大変なコストの掛かった機械でもあります。 程よく経年変化して味わいを増したカッパーダイヤルが魅力的なツーレジスタークロノグラフ。アラビア全数字のスケレットインデックスがスタイリッシュな印象の一本です。 18Kの金無垢ケースはそれほどくどくはなく、ざらりとした深く鈍い輝きが、逆にマットで控えめな印象もあります。ドレスアップやシャツスタイルにはまりそうですが、以外にもカジュアルに上品さを加えるアイテムでもあります。 搭載するランデロン48は、ランデロン・キャリバーの中でも初期に製造されたライン。動力伝達系統にキャリングアーム式を採用しており、上のプッシャーでスタート、下のプッシャーでストップ/リセットという独特の操作方式となっています。 ケース内には合金の内蓋を採用することにより対磁性能を増した、"ANTIMAGNETIC"の構造に特徴があります。