1940年代のレマニアが入荷しています。 レマニア社は、独立時計師アルフレッド・ルグリンが1884年に開いた小さな工房「ルグリンSA」に始まった時計メーカー。クロノグラフなどの複雑系ムーブメントを得意としたマニュファクチュールとしても有名で、自社ブランドだけでなくオメガを中心にパテック・フィリップ、ブレゲといった錚々たる著名ブランドにムーブメントを供給していたことで知られています。 どちらかというとクロノグラフ・ムーブメントで有名なレマニアですが、こちらのような三針時計も密かな人気を高めています。とりわけこの腕時計に搭載されるCAL.S27は、同社の傑作クロノグラフ・ムーブメントとして知られるCAL.27CHROをベースにして作られたモデルで、ほとんど市場に出回らない幻のムーブメントとも言われています。スモールセコンドタイプは比較的目にすることは多いものの、センターセコンド仕様は極めてまれ。またスクリューバックケースが採用されたステンレススチールケースも珍しく、総じて希少価値の高い個体と言えます。 ただし、やはりこちらの腕時計で注目したいのは、そのハンサムな顔立ち。蓄光塗料が盛られたくっきりとしたアラビア数字は高い視認性を持ち、クラシカルなペンシルハンドとも好相性。時分針はブルースチール製のフレームで、赤く彩られたセンターセコンドと白い文字盤の組み合わせは、軽やかなトリコロールカラー。文字盤デザインや無骨なステンレススチールケースなどから、どこか軍用時計のような出で立ちではありますが、品の良さも兼ね備えたデザイン性の高さがこの時計の良さだと思います。 ベルトは当店オリジナルのものを使用しております。1940年代から1950年代に流行したピッグスキンベルトを、ディテールも含めて再現しましたので、野暮ったくなく逆に新鮮なテイストを楽しめます。