1950年代のクロノストップと呼ばれる珍しい腕時計が入荷しています。ほぼデッドストックと言える良いコンディション。 スモールセコンドの三針時計と思いきや、センターセコンドも同時に動いています。4時位置のプッシャーを押し続けることでセンターセコンドを停止させることができ、2時位置のプッシャーで”フライバック”します。この時センターセコンドは12時位置で停止するのではなくそのまま再スタートを始めるため、”ストップ→リセット→リスタート”という一連の動作を省いた最小限の操作での連続計測が可能となっています。一般的なクロノグラフとはやや異なる動きが面白い一本です。 文字盤にはタキメーターとテレメーターも備えており、それぞれの計測はクロノグラフと同様。違いはミニッツカウンター非搭載といったところ。小振りな文字盤に細かいインデックスや数字がぎゅっと詰まったデザインが何とも言えません。文字盤や数字が赤・青・白のさわやかなトリコロールカラーとなっていたり、高級感のあるインデックス装飾など、ギミック以外も見所に事欠きません。 ブランド名は《S.H.D.》(Société Horlogère Doubs)というフランスの時計メーカーによるもので、主にランデロンやヴィーナスのムーブメントを積んだクロノグラフをリリースしていたようです。それほど有名なブランドではないものの、このような他ではお目にかかれないような逸品が見られるのが醍醐味。 ☞その他の画像はこちら