1940年代のジャガー・ルクルトの腕時計が入荷しています。

「名門」と呼ばれる同社の腕時計の良さは、その卓越したムーブメントの開発力にあります。現在は数少なくなった腕時計の自社一貫製造を行うマニュファクチュールと呼ばれ、1833年から始まる長い歴史を経てなお、現在も斬新なムーブメントの開発を続ける姿勢こそが、一流の高級メゾンであり続ける所以です。

こちらはいくつかのバリエーションが存在する、ジャガー・ルクルトによる三針時計の名機。経年によってカッパーダイヤルのように色褪せた文字盤は、極めてシンプルな文字盤デザインに強い個性と存在感を加えています。それでも、ブルースチールのロザンジュ針やあえて小振りに配されるアラビア数字といった、文字盤の構成要素がそれぞれ唯一無二の存在感を感じるのは、やはりジャガー・ルクルトなればこそ。

ステンレススチール素材の風合いも見事なケースは、ちょうど潜水艦の窓のようなステップドベゼルに似たシルエットが特徴的。この腕時計に見られる力強い印象を際立たせる意匠群は、計算されたものなのかそうでないのか。そこまで想像力を掻き立たせる完成された隙のないデザイン性を感じていただけたらと思います。

ムーブメントは粒金仕上げのにコード・ド・ジュネーブが美しい、インダイレクト・センターセコンドモデル。角穴車がブリッジの下に配置され、香箱がそのブリッジに設けられたスリットから覗くレイアウトはジャガー・ルクルト独特のスタイル。